最近は資産形成について、後輩と会話することがあって、2人の後輩に「まずはパチンコをやめた方がいいよ」というと、「分かってはいるんですけど、暇だから行っちゃうんですよ」と言われた。
でもパチンコは辞めたいらしい。
パチンコを辞めるにはどうしたらいいか、少し勉強してみた。
結論

- 環境をいじる(行動のトリガーを丸ごと消す)
- 報酬を設計し直す(“勝ち”の快感を自分で作る)
- 時間を投資に替える(“暇”という幻想を解体する)
この順に読むと最短で実践できるらしい。
環境トリガーを再配線する ――“行かない”ではなく“行けない”を作る

強制的に行けない状況にするように、まずは仕組み化。
- なぜ効く?:ギャンブル依存の脳は、場所・時間・感情といった《外部刺激》に反射的に反応。専門家はこれを条件づけられた cue(合図)と呼び、再発の主因と位置づけている。
- やること
- 動線を固定:退勤後はジム→シャワー→家のルートを“毎日同じ順序”で刻む。
- 物理距離を稼ぐ:パチンコ店が視界に入らない道を Google Maps で事前に設定。
- デジタル遮断:ギャンブル系アプリと SNS 広告を一括ブロック(iOS/Androidペアレンタル機能で可能)。
- メリット:意志力ゼロでも続く。「今日は我慢」ではなく 「そもそも店が見えない」 状態を作るので再現性が高い。
- デメリット:通勤圏に店が密集している場合、初期コスト(時間・交通費)がかかる。「柔軟に立ち寄る」生活スタイルとは相性が悪い。
報酬設計を自分で作る ――ドーパミンを“外部委託”しない

パチンコに行きたいという感情の全ての根源はドーパミンを欲しているから。
外注しないで内作しちゃえばいいってこと。
- 背景:MRI 研究では、ギャンブル依存者の報酬系(腹側線条体など)が過剰に反応し、前頭前野の抑制機能が低下していることが報告されている。
- やること
- ゲーミファイ貯金:今日パチンコに使わずに済んだ金額を即日アプリで可視化。
- 即時フィードバック:貯金残高が増えるたびにスマホ壁紙を自動更新(IFTTT等を利用)し、“勝った感覚”を自分で生成。
- スコア化:歩数・学習時間・筋トレ重量など、日々増える指標を一つ決めて記録。
- メリット:パチンコと同じ可変比率の報酬(予測できない報酬体系)を自作できるため、脳が「こっちの方が面白い」と判断しやすい。
- デメリット:数字自体に依存する“置き換え依存”のリスク。ルールを定期的に見直す必要がある。
“暇”を再定義する ――時間は使い切る資源ではなく運用資産

暇って何?大変だけど、毎日の予定を分刻みで立てちゃおう。
- なぜ必要?:厚労省の最新調査では、過去1年にギャンブル依存疑い(PGSI8点以上)の人は1.7%、男性は2.8%。平均月間支出の中央値は6万円。 使っているのは「余った時間+余ったお金」です。
- やること
- “空白ブロック”を消す:カレンダーに「読書30分」「友人との通話15分」など細切れ予定を先に入れる。
- “時間ROI(投資利益率)”を測る:1時間あたり得られるスキル・健康・人間関係の伸びを手帳にメモ。
- 3色ハイライト:赤=将来価値、黄=休息、青=楽しみ。パチンコ時間は何色にも該当しないことを視覚化。
- メリット:暇を「投資案件」と見るため、自然と行動が選別される。
- デメリット:概念が抽象的で、効果が出るまで数週間かかる。行動を詰め込みすぎると燃え尽きる。
3戦略の優先順位(実装難易度×再発防止効果)
戦略 | 即効性 | 再発リスク | コメント | |
---|---|---|---|---|
1 | 環境トリガー再配線 | 高 | 低 | 行けない動線を先に作ると、残り2戦略も回りやすい |
2 | 報酬設計の再構築 | 中 | 中 | 面白いが“数字依存”に転化しないよう注意 |
3 | 時間ポートフォリオ化 | 低 | 低 | 真価は長期。習慣が定着した後で効果を発揮 |
トレードオフ
- 環境⇄柔軟性:物理動線を固定すると行動管理は楽だが、急用時に融通が利かない。
- 報酬⇄依存置換:ゲーム化は楽しいが、スコア至上主義になると本末転倒。
- 時間投資⇄負荷:自己成長で埋めすぎると休息がおろそかになり、反動でギャンブル復帰のリスク。
まとめ:まず“行けない環境”を作り、次に“自分で報酬を発行”しよう
繰り返しになるが、意志の強さより環境設計が先。それが整えば、報酬の再設計と時間投資が機能しやすくなる。
ギャンブル依存は病気なので、意志は関係ない。風邪薬を飲む気持ちで習慣を変えるしかない。
病院に行くのも手だ。早く気がつけるか気がつけないかで人生が決まる。なんとも厳しいが人間は常に依存との闘い。自分でやるしかない。
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